白樺湖・蓼科湖その歴史
白樺湖は標高1416メートルの高原にある人造湖です。昭和の初期までは池ノ平と呼ばれる草原湿地帯でした。池ノ平を経由し流れる音無川は水田を潤す貴重な農耕用水でした。山から流れ落ちる水は透明でした。問題は、水温が平均8度ということもあり水田で穂をつけるには25度以上の温度が稲には必要でした。毎年、水田面積の三分の一が収穫不能になっていました。音無川をせき止め池ノ平を温水用の溜池にするという計画が始まったのが昭和15年、国庫補助による県営工事が始まりました。着工後まもなく日本は第二次世界大戦に参戦し作業員の確保が難しくなりました。県から工事中止が通達されるのですが、地元の人々は諦めず区有財産である山林の木々を売りつくし県に代わって工事を続行しました。